●授業の背景
世界的な市場の形成、世界の一体化と世界的な市場の成立が促されたとする、「グローバル化」の歴史はともすれば漠然としていて、理解しにくいかもしれない。しかし、最近の歴史学の研究は、この世界が結びつく近代化の時代に、人々の文化が多様化し、モノの流通が世界を大きく動かしていくプロセスからこの問題をとらえようとする。授業ではこのような歴史学の新しい視点をとりいれてグローバル化について多面的に考える。
●授業の目的
モノの流通に焦点をあてる。交易の成立から、国際商業に携わるヒトにも着目し、さまざまな歴史背景を理解した上で具体的なモノの歴史と結びつける。また、文化の伝播や多文化の交流についての理解を深め、この当時の歴史が現代の様々な問題につながっていることを理解する。
●授業の位置づけ
近世から近代にかけてのモノの流れを時間軸に沿って理解していき、地球規模の流通や食文化、交易ネットワークの成立について考えていく。これらが植民地をも大きく巻き込んでいき、現代まで続くグローバルな問題を生み出したことを認識する。
- 教師: 教員 水井 万里子